今生、もう二度と会えないんだね ⑤
ダンナが望んだとおりの 葬式
親族十数名だけで ダンナを送り出す
死化粧も 綺麗にしてもらって
たくさんの花に包まれた かっこいいダンナ
なんだか
近くで見られているような 気がする
棺桶の中に
スキー雑誌の切り抜きと
バイク雑誌の切り抜きと
ゴルフ雑誌の切り抜きを
封筒にまとめて 入れてあげた
あっちに行ったら
好きなだけ 遊んでちょうだい
私は まだ暫く こっちを楽しむから
子供達も ダンナへの 手紙を書いて
棺桶に 入れた
あとで ゆっくり 読んでね
棺桶の蓋が閉じられた
亡骸に 魂は入っていない
抜け殻なのだと 分かっている
なのに こんなにも 悲しいものなのか
見慣れた その身体は
この世界から 消滅するんだ
火葬場って ホント 嫌い
今までに どれくらいの遺体が
火葬されたんだろう
遺族達の 悲しみや 苦しみが
渦を巻いてて
重苦しい
ダンナは きれいさっぱり 骨だけになった
大柄でもなかった ダンナ
なのに この骨の量は スゴイぞ
大きい骨壷に ギュウギュウに 入った
息子に抱えられて
ダンナは 久しぶりに 帰宅した
遺影のダンナは ニッコニコ
家族で初めて ディズニーランドに
行った時の 写真を使っている
あれから 15年くらい経っているのか
いろいろ あったな
これからも まだまだ
いろいろと あるんだろうな
その 2年後
ダンナの父親が 逝った
私が建てた墓に
あっという間に 骨壷が 2つ入った
亡くなるまでの間も
まあ いろいろとありましたがね
私は
嫁ぎ先の家の 面倒を見るために
生まれたのか?
ウェ〜
ヤダ ヤダ
ムリ ムリ
そんなはずは無い
私は 絶対に
絶〜対に
自分の 人生を楽しむために
生まれてきてるはずだ
これからは
もっと もっと 自分を
幸せにする!
人の面倒を見るということは
悪いことでは ないけれど
自分が イッパイ イッパイ なのに
人の心配をするのって
オカシイよね
そんな事に 気が付いたのは
パニック障害 になってから
いや
そうなった事で
気づかされたんだろうね
ハイ
仕事
強制終了〜!
仏壇に 向かって言う
私は もう
やれる事しか やりません
先ずは 自分を 幸せにします
お義母さんのことは その後です
心配だったら あなた方二人が
守ってあげて下さい
なんか スッキリしたー 💕