社会不適合オバちゃん

社会不適合オバちゃん

思い込みで生きていく

今生、二度と会えないんだね

 

今日はどんより曇り空

 

あの日を思い出す

ダンナが逝った日も  こんな曇り空だった

 

 

数年前

医師が私に  ダンナの余命1年宣告をした

 

やっぱりな   と思った

意を決して  病室にいるダンナに伝えた

 

 

ダンナは

「そうか」とひと言だけ言った

泣き崩れるでもなく  いつもの感じで

私もなぜか泣けなかった

 

 

その後ダンナはいったん家に戻り  

体が動くうちは身辺整理をしてくれてた

子供達もダンナの余命を知っている

 

 

 反抗期の娘は父親にツラくあたった

 

 

「あんたのせいで  この家は大変になる」

「あんたが病気をちゃんと治さないからだ」

 

 

 

なんてこった

余命短い父親に  スゴイこと言うね

 

 

 

ダンナは黙っていた  何も言い返さなかった

 

 

 

ダンナは

「葬式は小さくていい」

「墓は建ててほしい」

と言った

 

 

 

分かった   任せとけ

 

どこか  行きたいところある?

 

食べたいものある?

 

 

 

「いや   ない」

 

 

 

ダンナの体力は衰え

合わせて  腸閉塞になっていたので

食事も楽しめないでいた

 

 

ダンナは完全に〝死〟を受け入れていた

 

 

その心中は  どんなものなのか

残された〝今〟がどう見えるのか

うろたえるでもなく

家族に当たるでもなく

ダンナは  ふつーに過ごしていた

 

 

 

再び入院する

もう   あの身体で

家に戻ってくることはないだろう

 

 

 

悲しいはずなのに  涙がでない

こんなものなのか

私が冷たいだけなのか

 

 

 

 

 

 

 

続きは〝今生、二度と会えないんだね ②〟 で😊